漫画の投稿&持ち込み

検証【1000枚原稿を描けば誰でも漫画家になれるよ】→なれました!

数年前にとある有名漫画家さんが「1000枚原稿を描けば誰でも漫画家になれるよ」とSNSで発言され、話題になりました。

「そういや自分は、何枚描いてデビューしたのかな?」と気になったので数えてみました。

結果、投稿作品140枚(+同人原稿50枚前後?)で、約200枚ほど原稿を描いたところでデビューしたっぽいです。

(自慢じゃねーですよ。最初に描いた作品でデビューされた作家さんもたくさんいらっしゃることですし)

わたしは小学6年から描き始めて25歳でデビューした(12年かかった)ので、「1000枚」ってのはかなり多めに見積もった数字だと推測できますね。

こんにちは。わたくしは青年マンガ家として13年間活動し、廃業し会社員になり7年、その後またフリーランスに戻りましたネコム(@necom_anarchy)です。

ちなみに、最初の有名漫画家さんの発言も「その後、生き残れるかは別だけど」と続いております。

「1000枚」じゃなく「誰でも」という部分がミソ

【挿絵その1】デビューしてから別雑誌に持ち込みしようとして持て余した原稿。雲形定規使え。

「『誰でも』っていうけど、じゃあセンスも才能もないヤツが1000枚描きさえすればデビューできるっていうのかよ!?」

というのが、この発言で議論を呼んだ部分かと思われます。

「じゃあオレ、ニートでヒマだし1000枚描くぜ!? 絶対デビューできるんだろうな!?」と期待を持った人も多かったのではないでしょうか。

ただ、実際に描いたことがある人にとっては、「誰でも」1000枚のマンガ原稿が描けるか、は「到底ムリ」と感じるのではないでしょうか。

雑誌の漫画賞などでのストーリー漫画の最短枚数はたいてい16ページです。

16ページを毎月描くとして、1000ページ以上になるまでには、5年と2か月半かかります(16ページ✕62.5か月)。

いくら生活に不自由がないとはいえ、5年と2か月半ものあいだ、お金になると決まったわけではない原稿を描き続けられるのは、正気の沙汰ではない。

実質、熱意をもって「漫画家になりたい」と願っている人だけです。願っている人であっても、お金も入らず読者からの反応もさほどない(むしろ編集者からのダメ出しが入る)状態では、相当キツイはずです。

1000ページの完成原稿ということは、ざっくりコミックス3巻分です。描けますか?

(ここで「描きたいっ」とワクワクしてくる人が、「誰でも漫画家になれるよ」の「誰でも」に該当する人ですね)

たぶん「実際に原稿を描け」ということ

【挿絵その2】同上。百合な姉妹を描きたかったが、なんだか微妙なままオワタ。8P。

「誰でも」の部分に引っかかりやすいセンセーショナルな言い回しなのでしょうが、ようは「漫画家になりたかったら、とにかく作品を仕上げろ実際に描け」ということではないかと感じます。

ブログとかでも「まずは100記事書け!」などと言われますね。

頭の中で妄想をくりひろげても誰にも届かない。想いは物質にして誰かに伝えろ。的な戒めかと。

自分も会社を退職してせっかく時間がとれるようになったのに、なんかこわくて腰が引けて、まだマンガ作業を始められていません。

いい加減、動き出そうかとの活を入れる目的でこの記事を書きました。

あと自分の原稿を数えるのに出してみて、「描くのがたのしかった」感覚を思い出せました。

ご笑覧ください:ついでに自分の過去の投稿作品もさらし上げ

こっから先はべつにさらにどうでもいいんですが、ついでなのでわたしの投稿作品も見ていってください。

小6からなのでさすがに画力もUPしているので、どなたかの励みになれば。

  • 『我がままJuliet』16P 【投稿先】集英社『りぼん』

小6でお店で「まんが用原稿用紙」を見つけ、入手。当時主流のつけペン(Gペンとか丸ペンとか)の存在を知らず、万年筆で執筆

「ガイド線のどこまで描いたらいいのか?」など不明点が多く、中1までかかった。

当初は「どうしよう、初の小学生漫画家の誕生か!?」と本気で興奮していたが、ふつうに選外だった。現実を知る

ちなみに絵にかかる部分の文字はトレーシングペーパーの上から書く、などの知識もなく、ペン画の上から直接えんぴつでペンネームを書いていた。

文化祭でロミジュリをやることになった子たちの恋愛模様。

タイトルはBOOWYの曲から。

  • 『GLIRY DAYS』16P 【投稿先】集英社『りぼん』

気を取り直して次回作。作業期間は中2~中3? 魚の形の消しゴムをスタンプに使った意欲作。髪のツヤが意味不明たぶんオリジナリティをねらった

子犬をひろって散歩させているうちに仲良くなった男子と女子の恋愛模様。

わたくし自身もとが田舎育ちなので、登場人物の私服がすべてジャージ

タイトルは大江千里の曲から。

  • 『賢者の贈り物』16P 【投稿先】集英社『りぼん』

「中学生のうちにデビューしたい!」と意気込んでいた記憶がある。

タイトルどおり、O・ヘンリーの短編を現代風にアレンジした、カップルがお互いを思い合うばかりにチグハグなクリスマスプレゼントを贈る話。

キャラを上から見た俯瞰(ふかん)図に初挑戦したので、身体がめちゃ巨大になった。

  • 『新婚時代』16P 【投稿先】実業之日本社『おまじないコミック』

米米クラブの博多めぐみちゃんが好きだった。「オネエな親戚の家にあずけられたボーイッシュな女子高生」みたいなネタ。

花束へのトーンの貼り方が雑なのが初投稿作から変わってない。

いまはなき占い雑誌『マイバースデイ』の姉妹マンガ雑誌『おまじないコミック』に投稿。

ふつうに選外なのだが「Cクラス」とかいう名目でペンネームだけ載せてくれたのが嬉しかった。はげみになった。

タイトルはカステラ(バンド名)の『文通時代』のもじり。

  • 『金曜日はいつも一緒』16P 【投稿先】実業之日本社『おまじないコミック』

「典型的な少女漫画」を演じて描いてみた。Bクラスになる。この経験からちょっとわたしのマンガへの方向性がゆがむ。

自分が本当に描きたいもの」じゃなく、演じて描いた「一般的に好まれそうなもの」が(いままでのものよりは)評価されたのだ。

おなじ委員会のカップルが、手編みのプレゼントをめぐって照れたりくっついたりする話。

高校在学中にもデビューは叶わなかった。

東京の大学に入学後は、出版社に持ち込み

【挿絵その3】バイクとかも描こうとした意欲だけは認めてやってください。描けてないけど。

ほかにも最長で40ページとか、逆に4コマ4ページとかもいろいろ描きました。

そのへんの話は過去記事『漫画家になるため出版社への持ち込みは有利?【体験レポ】』をご参照ください。

結果的に、25歳で投稿したアイキャッチのマンガで受賞。3か月後くらいにおなじ出版社の別の雑誌に誘われ、デビューしました。

自分の経験でいえることとすれば、「完成原稿をいくつも仕上げていた」ということかと。

そうじゃないと編集さんに見てもらえないので。

(デビュー済の人とかは、ネームの状態でも見てもらえるけど)

まとめ:現代は出版社だけがデビューの方法じゃないけど、「完成原稿」はつくろう

「1000枚原稿を描けば誰でも漫画家になれるよ」

この言葉も、意図するところはやはり実際に「描け」に尽きると思います。

わたしたちは一生に何枚、原稿を描けるでしょうか?

わたしはデビュー後、1000枚はおそらく描きました。

こちらのもとの発言をした漫画家さんは、年間500枚の原稿を当時描いていたそうです。

ちょーカッコイイと思います。

まあ、ともかく、描くんですよ。

べつに自分の人生、自分の勝手ですけどね。わたしも廃業後、精神的に描けない時期とても長かったですし。

でもいつ描いてもいいんですよ。

描きたかったら描きましょう!

おわります。