プロ漫画家になるには

【現実】漫画家アシスタントへ行くときの注意点【実体験】

漫画家になる前にアシスタントを経験しておいたほうがよい、と前回の記事でふれました。

漫画家デビューにアシスタント経験は必須! の意外な理由必須というか、たいてい編集さんにけっこう強引にアシスタントに行かされます。 でも悲観しちゃいけない。あなたが有望ってことです。 ...

今回の記事では、実際に漫画家アシスタントに行くさいの注意点をあげておきます。

こんにちは。プロ漫画家13年ののち、会社員になったネコム(@necom_anarchy)です。

漫画家のアシスタントは、なるべく泊まりでは行かない

漫画家として担当がついているなら、担当に紹介してもらう

以前の記事でご紹介した「新人漫画家や、漫画家志望者はなるべく東京近郊に住むべき」ということとも関係してくるのですが、

漫画家アシスタントに行くさいはなるべく泊まりではなく、日帰りにしておいたほうが、自分の負担が少ないです。(体力的にも、家事的にも)

また、泊まりではなくても最悪の場合、事件になる場合もあるので、行き先を家族や友人に言っておく

もしくは、机の上に行き先を書いて置いておく。のをおすすめします。

ちょっと「ふつうの仕事ではない」ことを覚悟して、想定外のことも起こり得ることを頭の片隅にとどめておくといいかと思います。

なんの契約もないほぼ初対面の相手と、密室状態になるのです。

とくに10~20代の女性は、男性作家さんのところにアシスタントに行くこと自体、正直やめといたほうがいいと思います。

実際に、アシスタントに行った先の漫画家さんにストーカーされ、刑事事件になった例もあります。

ちなみに担当者にアシスタント先を紹介してもらう利点は、以下です。

・担当者から見て、新人に紹介できる程度には人柄のいい、性格のマトモな漫画家さんを紹介してもらえる

漫画家側からしても、アシスタントさんから担当者に告げ口されるおそれがあるので、ぞんざいな態度はとれない

泊まりの漫画家アシスタントがしんどい理由

私が経験した、現実の実体験をあげていきます

安眠できない

数人アシスタントをお願いする漫画家さんの仕事場は、たいてい「アシスタントさんの寝室」みたいなのがあって、そこに数人で雑魚寝です。

初対面の他人と一緒の部屋で寝れる人、って少ないと思います。

また、夏場はエアコンのリモコン権を握るのが、アシスタント仲間でいちばん古参の人、というケースが多い。

温度調節、自分でできないんです。

これ、個室で生活している人間にとってはかなりツライかと……。

お風呂に入れない現場もある

マジであるんです。この21世紀に。とっても売れている、少女漫画家さんの現場でした。

都心のオシャレなビルの一室なんです。防犯も完璧で、新しくキレイで。

でも、アシスタントはお風呂に入らせてもらえない

洗面所に入れられて、「ここで、20分くらいで好きに身支度してね」と先輩のアシスタントから言われました。耳を疑いました。夏場です。

「このへんの好きに使っていいから」と、デオドラントシートみたいなのを示されました。

日帰りで行っている限りにおいては、こんな風習だ、って事前にはわからないですよね。

途中で帰るわけにはいかないし……。みんな先輩アシさん、そうしてるみたいだし。

ていうか、漫画家の先生も、入ってないみたいだし。

ほんと困りました。こんなん、予想ができない。

先生がヒス

作業をしていたら、漫画家の先生(女性)がキッチンにこもって、なにやら「ガンッ、ガンッ」とくりかえしおなじ音をたてている。

なんだか、やつあたりの音みたいに、聞こえるけど、まさかな……?

チーフアシさんがようすを見にいきました。なんだか、よく聞こえないけど、話をしていました。

先生、なんかヒスってたようです。こわいです。

べつにこっちに実害ないけど、なんかなぁ。

いずらいなぁ。

のちに聞いたところによると、アシスタントによるゴミのまとめ方が、気に入らなかったみたいです。

また別で聞いたところによると、そこの雑誌は編集者が、漫画家さん同士にそれぞれ「あいつあなたの悪口言ってたよ!」みたいに吹き込んで、

漫画家さん同士をいがみ合うように誘導しているそう。

(締切や原稿料を、漫画家さん同士が情報交換するとマズイからだそうです)

なので、その雑誌の漫画家さんはメンタルがやられちゃうことが多いのですって。

売れっ子も大変ですなぁ。

政治活動をされる

これはわたしはべつにいやではなかった、むしろありがたかったんですけど、特定の政治家さんに傾倒している漫画家さんがおられました。

ご自分で、自称「ネトウヨ」とおっしゃってました。

わたしは政治にくわしくなくて、つぎの選挙も誰に入れていいかわからなかった。

「とりあえず〇〇には賛成で、△△には否定派な人がいいんですけど」って先生に相談したら、

「■■地区でそれに近い政治家は……、待っててね!」といって調べてくださったので、とても参考になりました。

わたしにとってはお得な感じでしたけど、自分で確固とした政治的理念がある人にとっては、ちょっとやっかいなアシスタント先かもしれません。

殴られる(聞いた話です)

わたしがアシスタントに行っていたA先生のところに、以前来ていたアシスタントBさんの話。A先生からの伝聞です。

A先生の次に、C先生のところにアシスタントに行ったBさん。

C先生は業界でも有名なほど、アシスタントが定着せず、ひっきりなしにアシスタント募集をかけている人でした。

どうも、原稿の出来が気に入らないと、アシスタントを殴る人らしい。

そのアシスタントBさんは女性だが、格闘技の心得があるので、殴られても殴り返した。そしてそのまま辞めた

「どうりでいっつも、アシスタント募集かけていたハズですわ~」(by Bさん)

とのことでした。

とはいえ、泊まりで漫画家アシスタントに行きたい場合

いつでも逃げ出せるようにしておく

地方であまりアシスタント先がない場合や、憧れの漫画家さんが泊まりでしかアシスタントを受けつけていない場合。

バイクで行くとか、漫画家さんのおうちの周囲をよく観察しておいて、いつでも誰かが在宅していそうなおうちの場所を、いくつか記憶しておく。

いざとなったら逃げ出して、そこに駆け込むシュミレーションをしておく。

などするといいと思います。

勤務地を「●●駅」と募集の段階では書いておいて、

いざ「●●駅」で待ち合わせした漫画家さんに会うと、「ここからさらに車で20分です」と、漫画家さんみずからが運転する車に乗せられた場合もありました。

わたしの場合は当時30代後半でしたし、腕に覚えもありましたので、「えっ……」と思いつつそのまま車に乗ったのですが、

これ、10代20代の女性がやったら死亡フラグですからね! 場合によったら山に捨てられるからね! ニュースとか見てね!!

まあその先生は、わたしにとっては問題ない方だったのですけど、

その先生には失礼ですけど、世の中にはわるい人もいるので、若い人には警戒しすぎるほどにじゅうぶん警戒しておいてほしいのです。

事件おきたら遅いですからね。

とはいえ、漫画家アシスタントにはさまざまな利点も

とくにデジタル作画では漫画家さんによっていろんな技術が

ここまで読んで、もしかしたら「漫画家アシスタントってシンドそ~、こわーい(>_<)」と思われてしまったかもしれませんが、

やはりいろんな現場に行くことは、とても勉強になります。

とくにデジタル作画については、共通の方法というのがありません。

漫画家の先生みなさんが、独自に工夫をこらしています。

レイヤーの重ねかた、白抜きのしかた、みなさんそれぞれです。

わたしも前述のA先生にデジタルを教わることによって、トーン処理の速度がとても上がっていたらしく、

別の先生のところに行ったさいに、3日かかると思われていた仕事を、1日と3時間で仕上げてしまったことがあります。

(アシスタント代は、ありがたいことに丸2日分いただきました)

漫画家の先生どうしも情報交換してるし、いろんなところから聞いてきた方法を貪欲に試しておられるので、売れてるプロの現場にいると、グングン技術があがります

まとめ

そんなわけで、漫画家アシスタントに行って技術を高めつつ、めんどうなことに巻き込まれないためには、日帰りでアシスタントに行くことを、強くおすすめします。

今回は以上です。よき出会いを!!