プロ漫画家になるには

漫画家と会社員を両立するため、会社選びを真剣にやるべし

学校在学中に、漫画家デビューできなかった。

そんな場合でも、悲観しなくて大丈夫ですよ。

割り切って、取材と思っていいところにガッツリ就職キメときましょう。

こんにちは。漫画家を13年経験し、いまは会社員のネコム(@necom_anarchy)です。

在学中に漫画家デビューできなかったら、覚悟を決めて会社員との両立を考えよう

夢をあきらめる必要はないが、いったん就職活動にフルコミット

理想としてはやはり、就職活動や社会人生活などに時間をさかず、学校卒業後はすぐ漫画家として活動したほうが時間のムダがないと考えます。

しかし、それまでに間に合わなかった場合。

それはそれで、漫画家としてストレートなコースを進む人が経験できないことが体験できるチャンスです。

いったん、年齢なりに就職活動をし、なるべくいいところに就職を決めましょう。

そして、新入社員のうち半年くらいは漫画がぜんぜん描けなくてもいい、まっとうな新入社員として使いものになるように、人に合わせてみましょう。

忍者です。草です。

いざというとき漫画家として動くため、隠密活動です。

ただし仕事先はじゅうじゅう慎重に選ぶ

いったん仮の姿で就職。とはいっても、仕事先はとても慎重に選ぶ必要があります。

まず、残業があたりまえにある会社ではいけません。就業後すぐ帰れるような社風か。

やたらと飲み会はないか。絶対参加な風土ではないか。

人間関係はおだやかか。仕事をちゃんと教えてくれる先輩がいるか。不倫をおっぱじめて、プライベートの時間まで電話で相談してくる同僚はいないか。

売上ノルマがなく、仕事以外の時間まで仕事のことを考えている必要がない職場か。

また、それまでの学部・学科とマッチしている仕事内容か。(のちのちラクです)

あるていど社風でガッチガチではないなら、自分のメンタルを強く持って、残業や会社の飲み会はなるべく参加しない姿勢をつらぬくのも大事です。

(新入社員のころにあまりにかたくなだと感じがわるいので、ようすを見つつじょじょに断るのが無難かと)

もちろん入社前からぜんぶはわかりませんが、面接官やOB・OGの話をできる限り引き出して観察してみてください。

そうじゃないとブラック企業につかまって、疲弊します(しました)

自分は「どうせのちのちは漫画家になるんだから、会社員なんて仮の姿。企業なんてどこだっていい」と思って、とりあえず自分にもできそうな仕事内容の会社に応募していました。

休日の日数も、福利厚生も、お給料も額面が手取りか昇給はあるのか、まったく考えていませんでした。

だって、いつかはやめるから。漫画家になって+゜

と、決心していたのはいいのですが、今になってみると、「もうちょっと厳密に会社は選んどくべきだった」としみじみ思います。

すぐ入れる会社は、ちょっとヤバイ会社

だったんですよね。若いときのわたしは知りませんでした。

新卒募集をしていない、アルバイト情報誌なんかで募集をしている会社に応募していました。

(コミュ障だったので、大学の就職活動のやり方がわからなかった、ってのもあります)

そんな手軽な感じで社員募集をしている会社は、やはり会社の規模自体も小さい。

社員を大切にできるほどの余力がない。結果的に人手不足だったりで、どんどん人が入れ替わる。引き継ぎもうまくいっていない。

具体例あげちゃおう・その1「給湯器の修理の電話受付事務」

最初に入った会社はお風呂や給湯器の修理受付の会社。人間関係がヒドイ

4人の女性の事務員さんがいたのですが、2人のおつぼねさんが、ほかの2人を子分としてアゴで使っている感じ。休日は全員でパチスロに行くならわし。

あとから入った私だけが「土日出勤要員」で、休みが合わずに、結果的にたすかりました。

修理の電話受付がおもな仕事なのですが、しらばっくれてみんな電話出やしねぇ。

鳴らしっぱなしにしておくのもこわかった新人のわたしが、ぜんぶの電話をとることに。

いそがしすぎるし、細かいことも教えてもらってないので、ミス連発。おこられるのはわたし。

毎朝、仕事に行くのがほんとうにいやだった。

入社してすぐやめると、つぎの仕事が決まらなくなる」と聞いていたので、ムリヤリにでも続けていたのですが、1年我慢に我慢してギブ。

われながらよくやったと思います。

具体例・その2「プログラマ」

どうせなら興味のある仕事しよう。取材がてらに。と思いつきました。

Windows95とかワールドワイド・ウェッブとかが話題になっていた時期。なにかこれはのがしてはいけない波だと感じる。

というか、好きな感じがした。カッコイかった。

大学の同級生がなぜか専攻とまったく関係ない「SEになる」と言ってたのが心に残っっており、それがなんかステキだったので、「わたしもやってみたい」となった。

(アホ)

なんの経験もなくベンチャーのIT企業に。当時2000年問題とかでメッチャ人手不足だったので、スルリと入社。が、とてもとてもブラック

残業毎日4時間くらい。残業代出ない

(まあ、わたしもなんも技術的に使いものにならなかったのではあるが……)

とにかく残業時間が長すぎて、生きているのがやっとだった。

食事時間もなかった。深夜、帰りの路上でアーモンドチョコ食いながら歩ってたこともある。恥!

半年くらいでどうしても体が布団から起き上がれない日が来て、退社。

具体例・その3「校正事務所」

鬱になっていたのか? しばらく就職活動的な意味では動けなかった。

ちなみにプログラマ時代に、とある青年誌の賞に引っかかり、漫画家としてデビューはしていた

ページ数の少ない実話エッセイものや、4コマ漫画で使ってもらはじめていた。

編集部からは接待される。んで、調子こく。

編集さんから、「本気で漫画家を仕事としてやっていきたいんですよね?(副業としてではなく)」と、意思確認される。

編集部としては、副業で月に数ページ描くていどの作家って、あまりありがたくない

どうせなら毎月何十ページも描いて、単行本も出して、ガッツリ稼いでくれる太い作家を求めているわけだ。(4コマ雑誌とかは別だろうけど)

わたしは在学中にデビューできなかった時点でかなり漫画家になるのをあきらめていて、でも投稿を続けていたのは、たんに未練で、

会社員をやりつつ少しのページ描けたらなぁ……。みたいに思っていたんだけど、

そう聞かれたら、やはり「本気です」と言ってしまった。

ある意味たすかった出会い「校正事務所」

事実上、人生の恩人ですね。ここの社長は。

そのわりに後ろ足で砂かけるようにやめてしまいましたが。まあ、当時はわたしのメンタルもやばかった。

以下↓の記事でも書いたように、「40歳までに漫画家として売れなかったら、地元に帰りなさい」というリミットの考え方を教えてくれた人です。

漫画家の老後―悲惨な末路を回避する「リミット」の考え方あなたの、漫画家としての理想の人生は、どんな形ですか? 10代のうちにメジャーな少年誌or少女誌でデビュー、20代で連載が大ヒット...
ここも毎日仕事をくれるわけじゃないから、働くがわからしたら不都合で不安定ではあるんですよ。事務所に仕事がある時だけ呼び出されますからね。

でもまあお互いさまの面もあり。

漫画家としての仕事がない時期にも、こちらの仕事がある可能性があり、アテがあるというのは、まあ少しは心強かった。

漫画家をやめたのち「インターネット関連業務の事務員」

そんな感じで、若いときからじっくり時間をかけて会社を選んでいたら、もちょっとラクな人生だったのかもしれない。と思いましたのでな。

いまの仕事、けっこういい感じなんですよ。

学校卒業後、会社員にならずに漫画家アシスタントに専念しては?

そういう人生もあろう

わたしもはじめて泊まりでアシスタントに行ったときに、30歳すぎてましたけど、

ハタチごろとかから覚悟を決めてこういう生活してたら、もっと漫画が売れてたのかなー」と思ったこともありました。

けど、自分がデビューする前ひとさまの原稿のお手伝いをする。

毎日、毎日。何か月も。そのあいだ、自分の原稿は描けない

わたしの性格だと、つぶれれたような気もする。

人それぞれですね。

ガッツのあるタイプの人は、向いてるかも。

あとやっぱ、「新卒の就職活動」って(わたしはできなかったけど)、する機会は人生にそうそうないので、やっておいたほうがいいかもと思います。

会社員と漫画家の両立をはじめに経験しておくと、社会復帰したいときに相当ラクですよ

学生から漫画家になると、一般的な社会人経験がないままオッサン・オバハンに

というのがこわいんですよね。

若いときに会社員をちょっとやったことがあれば、どんなもんかわかるし、再就職のハードルも低い

学生からチョクで漫画家になった場合って、年をとってから漫画家をやめた場合に、再就職で面接とか受けるのが、とてもこわいんじゃないかと思います。

自分が一般的な会社員として働いているイメージ、なかなかつかないのでは。

(まあ、思い切って踏み出してしまえばなんてことないんですけどね)

漫画家、一生できればそりゃあいいけど、50代60代で活躍できている人って、やっぱり数えるほどしかいない。

で、そんなスター選手ってやっぱり10代とかでデビューしてたりする。

きびしいことを言うようだけど、在学中にデビューできなかった時点で、定年まで漫画家でいられる可能性も低い

そんな遅咲きの作家は、漫画家以外の仕事をする人生を、ちゃんと考えて準備しておくべきだと思う。

会社員もわるくないですよ。

税金のこととかぜんぶ経理の人がやってくれるし、仕事とってくる意味での営業活動も行かなくていいし。

べつに会社員だから漫画を描いちゃいけないってわけでもないんだし。

わたしは、ラクになったんですよね。

まとめ:漫画家と会社員の両立は、【会社選び】を真剣にやるべし

そんな感じで。まとめます。

・在学中に漫画家デビューできなかったら、いったん就職活動に専念しよう

・いい会社に入って環境をととのえつつ、漫画を描いていく

・新卒で就職をしておくと、漫画家やめたのちにも心強い

逆に、会社員をリアルに描けるのはスロースターターの強み。

大人らしい、深みのある世界を描いてやりましょう!

お金は大事だよ!

では!!

 

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