漫画家のなり方

【初心者】デジタル漫画の初期投資【最初に何を買えばいい?】

「デジタルで漫画が描きたい。でも機械とかまったくくわしくないんだが、まず何をそろえたらいいんだろう?」という方へ向けての記事です。

こんにちは。もとプロ漫画家として13年生活しまして、現在は会社員のネコム(@necom_anarchy)です。

自分のデジタル化の実体験と、ほかの漫画家さんのところにアシスタントに行った経験から、多く見たケースや、おすすめの始め方をご説明します。

まず、何が描きたいか?

デジタル漫画といっても、SNSやブログで発表するだけのものでいいのか、それともゆくゆくは紙媒体で出版したいのか。

また、紙媒体にしても同人誌なのか、それともプロとして雑誌載せる用のものか、によっても必要とされる性能は違います。

なぜかというと、印刷とネットでは、画像に求められるデータの量・解像度の細かさ、などが違ってくるためです。

ネットで見るだけなら解像度は72dpiくらいで荒くても大丈夫なのですが、それを印刷するとなると、とてもギザギザしてモザイクのように見えてしまいます。

画集や写真集レベルにきれいなものを印刷出版したければ、とても大きなデータをあつかう必要があります(600~1200dpi。およそ10倍以上)。

その場合、スマホでは容量が足りません。「クリエイターズPC」と呼ばれる、大容量がさばけるPCが必要です。

ネットで発表するだけなら、スマホで無料の描画ソフトをダウンロードすれば大丈夫です。

指でとても上手な絵を描いている人もいますが、細い線が描きたい場合は、スタイラスペンを使ったほうがいいと思います。

紙の本として同人誌を印刷し、コミケなどに出したい場合は、やはりPCがあったほうが安心です。

ソフトも有料の「クリップスタジオ(CLIP STUDIO PAINT EX)」がやはり汎用性が高い。

ただ、これまでPCを日常的に使っていなかった場合、描画目的のみで買っても、ほかの面で使いこなせないおそれがあります。タブレットもスマホも同様ですが。

いきなり絵を描くのではなく、まずはメールやSNSで使ってみて機材そのものに慣れるところから始めてみてもいいと思います。

ちなみに、いま持っている機器の範囲で、デジタル作画に移行するために効率的な方法として、「これからの漫画家はフル・デジタル? アナログで悪い!?」という記事を書きましたので、よければこちらも参考にしてください。

ゆくゆくは印刷してみたいなら、解像度は300dpi以上で

いずれにせよデジタル作画を始めるつもりでしたら、「印刷するには解像度は300dpi以上で」と覚えておいて損はないです。

たとえばスマホで作画する場合、アイビスペイントをつかうなら、新規キャンパス作成画面で、いちばん下にある項目がdpiです。

↑ここの300dpiってとこ

メディバンペイントだと真ん中の「 Pixels | cm | inch 」と書いてあるバーの「Pixcels」を選択し、そのすぐ下の「解像度(dpi)」と書いてあるところを「300」にします。

↑真ん中の「解像度(dpi) 350」ってとこ。

※ちなみに300は最低限の数値なので、ハガキ大くらいの大きさの絵でしたら、350dpi~400dpiのがキレイかもです。でっかいポスターみたいなサイズだと、データが重すぎて作業が遅くなるかもしれません。

たとえば「似顔絵を描いたら、名刺に使いたいからデータちょうだいって言われた」「商店街のポスターに、インスタに載せた猫の絵を使いたいって言ってもらえた」などの場合に、印刷できる解像度で画像をつくっておけば、チャンスを逃しません。

ただ、わたしなどは『インスタに毎日1枚アップする』を目標にしているので、データが膨大になるので72dpiで作画しています。ケースによって使い分けてください。

スマホの次は「タブレット」と「ノートPC」どっち?

クリエイターズPCは高額(10万円代~)ですし、PCというもの自体、5~6年も使うとどうしても重くなって不具合が出てきてしまうものなので、いきなりクリエイターズPCの購入はおすすめしません。

(会社などで画像ソフトをあつかう業務をしている、ならばたぶん大丈夫ですが)

すると、スマホのつぎに何を購入したらいいかですが、個人的には描画に特化したレイトレックタブか、予算が許せばアイパッドプロをおすすめします。

レイトレックタブのほうはスタイラスペン付、また描画ソフト「クリップスタジオ」のお試し版があらかじめインストールされています。こちらは「お絵かき特化タブレット」と認識していいでしょう。買ってすぐ使えます。お値段も新品で5万円代、中古だと4万程度。

アイパッドプロは、アップルペンシルを別で買う必要がありますが、ノートPCを購入して板タブも買うのであれば、最初から液タブのように使えるこちらを買ったほうが機能的に手っ取り早いかと思います。

※板タブ=ペンタブ。手元の板に、PCの画面を見ながら描くタイプ。慣れないと相当むつかしい。1万円しないくらい。
※液タブ=液晶タブレット。タブレットに直接、専用ペンで描画できる。紙とほぼおなじ感覚で描ける。小さいので5万~いいのだと20万する。

別でキーボード(2万円代)を買えばノートPC並に使えそうですし、それで液タブの機能も兼ねるのであれば、アイパッドプロがいちばんコスパいい。ってか、私が欲しいのですが。持ち運べるし。

【初心者】デジタル漫画の初期投資【最初に何を買えばいい?】まとめ

そんなわけで、最後は個人的な物欲の表明になりましたが、デジタル機器がなにもない状態でまず買うとしたらスマホ。んで細い線が引きづらければ細字用のスタイラスペン

んで無料のアプリ(「アイビスペイント」や「メディバンペイント」)でレイヤーの仕組みなどを覚えたら、次はレイトレックタブがおすすめ、予算があるならアイパッドプロ、といったところでしょうか。

「レイトレックタブ」のほうは私もおととし購入して愛用しておりまして、おすすめです。ガシガシ描けます。この記事に載っているイラストエッセイ程度なら。

これからデジタル作画がますます一般的になってゆくでしょうし、入稿のときなどデジタル以外は受け付けないという場合なども出てきそうなので、なるべく時代に合わせてデバイスを使いこなしたいものです。

今回は以上です。それでは。