プロ漫画家になるには

漫画家志望者の投稿先→大好きな作家さんが描いてる雑誌、が王道

いざ描いた漫画を投稿or持ち込みしようという段階になって、あらためて「どの雑誌にしようか?」って迷ってしまうこと、ありますよね。

メジャーな雑誌でデビューしたいけど、でもマイナー誌のほうが採用してもらえる可能性が上がるようでもあり。

こんにちは。漫画家を13年経験し、いまは会社員のネコム(@necom_anarchy)です。

漫画家志望者の雑誌選び:どの雑誌に投稿or持ち込みすべき?

あなたが大好きな作家さんが描いている(描いていた)雑誌! がおすすめ

大好きな作家さんとおなじ雑誌に載れる。これ以上にしあわせなことはありませんですよ。

もしかしたら忘年会とか新年会とかで実物にお会いできるかもしれないし、何より、あこがれの漫画家さんが、自分の漫画を読んでくれるかもしれない! です。

憧れの作家さんが昔の年代の人で、もうその雑誌で描いていないとしても、その人を担当した編集者がまだ在籍しているかもしれません。

くわしいエピソードとか聞けます。生原稿とかまだ編集部にあれば、見せてもらえるかも。

自分が「漫画家になろう!」と思った作品とおなじ形式で自分が単行本を出せれば、かなり感動です。やる気もむっちゃ出る~! と思います。

↓ちなみにわたしが持ち込みに行ったさいの体験談はこちら↓

漫画家になるため出版社への持ち込みは有利?【体験レポ】漫画家になるためには、出版社への持ち込みを積極的にしたほうがいい、と言われています。が、本当でしょうか? 個人的には、持ち込みをす...

源流を超えてゆけ

小説のほうの恩師が言っていたのですが、「この人には敵わない、という作家さんがまだ現役でいるなら、その人は作家になるべきではない」とのことです。

どんな好きな作家さんがいても、それでも自分の書くものがいちばんで最高、という意識を持って作品をつくれなければ、そんなものは世に出す価値はない。

自分ですら酔えない作品なのに、読者にたのしんでもらえるか。

大好きな作家さんとおなじ雑誌に載れば、とても距離の近いエッジのきいたライバル関係としていやおうなしにに意識されます。

うっとりしてばかりはいられない状況になるので、自分の作家としての殻を破るのにも有効なのではないでしょうか。

漫画家デビューする雑誌はやはりメジャーな出版社の少年誌・少女誌がおすすめ

歴史の浅い雑誌は、休刊(=廃刊)しやすい

メジャーな出版社で、漫画部門も大きなシェアを占めていて、少年誌・少女誌だけではなく青年誌、女性誌、すべてのジャンルで手広くやっているところがもちろんおすすめです。

具体的に言うと小学館、集英社、講談社あたりですね。

規模は小さくなりますが、漫画に強い出版社はほかに、白泉社、秋田書店、双葉社、少年画報社

このあたりの出版社は漫画雑誌からの収益が大きいので、業績が傾いたからといって、「漫画部門からいっさい手を引く」というようなことは(おそらく)ないです。

たとえ自分が掲載されている雑誌が休刊しても、売上にそれなりに貢献していれば、おなじ会社のほかの雑誌で仕事がもらえる場合があります。

反対に、いくら話題になっててオシャレで素敵でも、漫画雑誌が1~2種類しか出ていない出版社はすすめません。

雑誌の売上がわるければ、けっこう早い段階で「漫画部門自体」から撤退する可能性が高いからです。

「漫画の編集者」としての実力と経験値

漫画部門が強い出版社の編集者には、強力な横のつながりがあります。人気作家の担当になると他社の漫画編集者とも会う機会が多いので、そこで知り合いになりツテができます。いろんな情報を仕入れられます。

出版社だけでなく、編集プロダクションなどとも交流を持っていることが多いです。

また、漫画に強い出版社には、「いまでは伝説となった神様的な漫画家」を実際に担当していた年配の社員や、退職したOB・OGもいます。

そういう環境にいられる編集者は、困ったことがあったら先輩に相談したり、体験談を聞いてやる気を出したりすることもできます。

それに対して、漫画部門が充実していない出版社の編集者は、「漫画編集者」として新参者なので、ほかの漫画編集者の知り合いも断然、少ないです。

また、漫画編集者としての常識、業界の慣例などにも、うといです。

正直、ちょっとたよりないです。「新人漫画家として育ててもらう」期待は、あまりできません。

ちなみに、「編集プロダクション」とは

出版プロダクションとは、「編集部だけの出版社」みたいなものです。

本来の出版社のように、その会社の名義で雑誌を出したり、本屋さんに営業をかけたりはしません。

文章雑誌メインの出版社が突発的に漫画っぽい増刊を出す場合などに作家を紹介したり、企業のパンフレット用の漫画を作家とマッチングしたり、インターネット漫画サイトに転載可能な漫画家に交渉・契約を代理でしたりします。

出版プロダクションにツテがあると、漫画家の仕事のハバはぐんと広がります。連載が途切れたときにも、なにかしら仕事がもらえる可能性があります。

出版社を退職した編集者が、編集プロダクションを立ち上げることも多いです。

稼げる漫画家なら、出版社や編集プロに属さない「フリーの編集者」が、マネージャーみたいな形で仕事をとってくる、という仕事のしかたをしている方もいます。

「雑誌選びどころではない」漫画家の場合

理想はともかく、「採ってくれる雑誌」が「載れる雑誌」

とはいえ、自分の漫画を採用してくれる編集部がなければどうしようもなく、まあ載せてくれるんならどんな雑誌だってありがたいわけです。

いや、「あの雑誌にしか載りたくないっ(>_<)」というのであれば、それはそれで素敵なこころざしですが。

年齢がいってきて、いよいよあせってきたら、私のようにとりあえずどこでもいいからデビュー、というのでもいいと思います。

デビューしやすいジャンルは、4コマ、ティーンズラブ、実話系、主婦向け鬼姑系レディコミです。

出版社もメジャーどころではなく、系列会社の「あんまり聞いたことない」って感じの、単行本をあまり出してないっぽいところだとハードルが低いです。

(とはいえ、それだとデビューしたあとに単行本化してもらえないのですが)

デビューしちゃえば扱いは変わる

という側面もありまして、妥協してデビューした雑誌で1年くらい連載をすれば、もう立派なプロ漫画家なわけです。

その実績をたずさえて、描きたい雑誌に持ち込みをかけると、ズブの素人よりはまあ、ぞんざいには扱われません。

納期をまもり、あるていどの仕事量をこなせる」って実績はあるのですからね。

採用してもらえるかどうかは、またべつの話ではありますが。

漫画雑誌ではない文芸雑誌ァッション誌で1~2本くらい漫画が連載されている場合、こんなケースで売り込み成功した話を聞いたことがあります。

ただ、いったん連載を始めると、持ち込み原稿を描く時間と気力はかなりキビシイというのも事実です。学生や会社員を兼業してたころよりキツイかもです。

雑誌に合わせて描いてたら、描きたいものが描けないんじゃ?

まさにそうなわけで。

プロ漫画家としてデビューしよう」と願いを持つと同時に、それは「描きたくもない漫画を描かなくてはならないかもしれない」という呪いと、表裏一体です。

自分の描きたいものを描いて、プロ漫画家として成功できる。それはとてもわずかな、ごくひとにぎりのラッキーな人間のようです。

ただ、描きたくないものをイヤイヤ描いたからといって、その苦痛の引き換えに成功するかというと、そうでもない

もしかしたら、みんなデビューしたくて妥協したからうまくいかないだけで、

ほんとうは、何にも負けずにずっとずっと一途に、自分の描きたいものだけ描いていると、そっちのほうが結果的にはヒットするのかもしれない

さいきんこういう記事を読みまして。

自分の描きたいことだけだれにも見せずにずっと何年も描いている人。けっこういるみたいです。

こういう形では、なぜ自分は満足できないのか。どうして自分はプロ漫画家としてデビューがしたいのか?

いちど考えてみて、自覚してみると目標がよりクリアになるかもです。

目標はじつは叶ってた自分の場合

わたしはいちばんの目的は、「まいにち漫画だけ描いて暮らしていたかった」んですよね。なので、それは叶ってた。

大ヒットは(そりゃあすればうれしいけど)しないでもよかった。

お金はほしいけど、有名人になるのは困るなー、顔バレしたら街を歩けないよ。だいたいデブだし恥ずかしいよ。てな感じでした。

「この作品が描きたいっ」というより、「漫画家になってみたい、漫画家な生活がしてみたい」という、ミーハーなふわふわした希望だったように思う。

「貧乏な売れない小説家プレイ」みたいなのも、恥ずかしながら好きでした。

大学に入って上京したては、そこまでの必要もないのに一刻館みたいな木造のボロボロ風呂なしアパートに住んだりとか。

(1年で音を上げ、風呂つきアパートに引っ越しましたが)

アホですね。ほんと。

でもやってみたかったし、たのしかった。

ほんとうに大ヒットとか成功したかったら、ストイックにメジャーを目指すべき

どうしても世に出したい作品があるなら、まじめにメジャーな雑誌をえらんだほうが、作品が日の目をみるかも

いろいろ、雑誌選びのテクニック的なことを書いてきましたが。

大切な、世に出したい作品があるのなら、正攻法でいったほうが結果的にはいいのかもしれません。

作品が大切なら、コミックス(単行本)になるような雑誌をえらぶべきです。

マイナーな雑誌で描くと、そのチャンス自体が得られません

漫画家になること自体が大事なのか、それとも広く世に出したい作品があるのか。そのへんを自分で認識しておくと、いい道筋で目標実現できると思います。

なりふりかまわず、泥水すすってでも漫画家になりたい、それもまたよしです。

どれも大切な夢だし、一生をかけて実現する価値のあることだと思う。

あなたの希望が叶いますように。お祈りしております。

では!!

 

ヒットメーカー、ジャンプ連載漫画家・樹崎聖による超実践的な漫画指南書。