漫画に役立つ本

益田ミリ『ふつうなわたしのゆるゆる作家生活』には作家として長生きする秘訣が詰まってる

『僕の姉ちゃん』、美容院で出してもらう『anan』の巻末で連載されていたマンガ。

ゆるい日常エッセイ的でありながら、たまにとてもするどい人間洞察がはいっていて、「な、何者だ!?」と作者さんに興味を持った。

わたしは少年ジャンプで育ってきたような環境だったので知らなかったが、10年前からヒットを飛ばす有名作家さんだった。

イラストレーター兼、エッセイスト兼、漫画家。著書もWikiによると50冊以上ある。

こないだ神保町の東京堂書店でも、本棚まるまる3段くらいつかって特集されていた。ぜんぶ違う書籍だぜ? めまいがした。

ひとまず『anan』で読んでいた『僕の姉ちゃん』と、『ふつうなわたしのゆるゆる作家生活』を購入。

26歳で会社をやめて東京へ、というある種、理想的で典型的な(?)作家デビュー成功ストーリーに夢ごこちでひたろう。と思って読み始めました。

が、これがどうして、けっこうグサグサきた。自分の足りないところが具体的にわかってしまった。

あ、ちなみにわたしはもと漫画家のネコム(@necom_anarchy)と申します。売れなくて廃業しまして、いまは地元で会社員をしています。

興味がないキノコ講座にむりやり出かけていく

いろんな編集さんと喫茶店で待ち合わせ。編集さんにも変わった人がいるね。的な日常エッセイにまぎれて、「妙味がないキノコ講座にむりやり出かけていく」話、などが折々はさみこまれている。

あるときは「ニチリンソウ観察会」。またあるときは「夜の山をハイキング」するイベント。

ご本人、「行きたくないな~」と思いながらも出かけていく。

いわく「ハッとする言葉に出会うため」。

自然体で作家さんになったようでいて、努力されてるんだなー、って思いました。

「興味ない催し物」ってところがミソなんでしょうね。ネタ探しって何をしたらいいのかわからない面がありますが、こういうことなのか。

締め切り3か月前に描く

何か月分もの原稿を描きためておくことが多いそうです。

これはわたしも新人のころに心がけていたのですが、あるとき「次号は〇〇してしまう△△ちゃん!!」的な感じで、アオリ文で編集者にネタバレの予告を打たれてしまった。

ショックで、そのままの内容を描く気にならなくて、「こんなことになるんならもう次回からは来月分の原稿は渡すまい」と思った。編集者不信におちいった。

いまにして思えばこれは間違いで、「ネタバレになる予告はしないでください」と、ちゃんと編集者に抗議すべきだった。

編集者に抗議すべきことは抗議する

さらっとだけど、「仕事上の手違いで編集者に抗議」したエピソードについても出てくる。お詫びにもらったメールの謝罪文の漢字がむつかしすぎて読めなかったという内容で。

これができたのは自己肯定的な環境で育っていらして、自尊心があったからだと思う。

でもそういう育ちじゃなかったからといってうらやんでいても仕方がないので、仕事としての堂々とした態度を頭で知って、行動して学んでいくべきと思いました。

なんかいっぱい書く

やっぱりさらっと描いてらっしゃるけど、学生時代にCMで使われたキャッチコピーコンテストで優勝してたり、ほかにも入賞歴がたくさんあるらしかった。

カップ麺のキャッチコピー、『朝帰りの味を知らないで 大人になんかなりたくない』。

え、このコピーが使われたCM見たことある!! 超しってる!!!!!!

「なんだ、もともと才能ある人だったんじゃ~ん」

と一瞬、思ってしまいそうになったが、そもそもその学生時代に才能を発揮したのはなんでだ!?

「大量の日記を書いて大人になった」というあたりかもしれない。

先日いった江口寿史先生の展覧会でも、あの密度の高い絵がもうほんとに大量にあったので、とにかく量をたくさん描く/書くことで前に進めるんじゃないかな? と思った次第です。

益田ミリさんに超なりたい

いい年して(46歳ですなう)他人にあこがれるのもみっともないが、少女のときぶりにだれかに「なりたい」と思った。

ハタチのときに気づいたけど、でも「自分は他人じゃなくて『いちばんすごい自分』にならなきゃいけない」ので、自分になるのをガンバります。 

それはそれとして、いまわたしはハマっているのです。本を買いそろえていくのがたのしみ。という感覚は、ひさしぶりです。

いい出会いをしました。

いまさら「おすすめです」というのも口はばったいですが、読んだことない人はぜひ益田ミリさんの世界をかいま見てみることをおすすめします。

(とくに30~40代の女性はハマると思います)

以上です!