『なぞるだけで絵がうまくなる! アニメ私塾式 キャラ作画上達ドリル』室井康雄著、通称「なぞる本」を購入してなぞってみました。
31日間=1か月のあいだ毎日1~2ページずつなぞる構成の本です。
正直「1か月でそんなに変わるかよ」と思っていましたが、実際描いてみたらけっこう変わってました。

手の置き方の自然さがとくにまったく変わったと思います。あとなんか顔も色っぽく描けるようになっている?
効果は歴然! でした。
そんなわけで、「とにかくやってみ!!」とおすすめする趣旨の記事です。
ちなみにわたしは13年ほど青年マンガ家をしておりまして、廃業して会社員を7年、現在はフリーランスのネコム(@necom_anarchy)と申す者です。
伝説の編集者と言われる方にアドバイスを求めたら「君は、まずとにかく絵だね」と言われた経験があります。ヘタです。
「べつにジブリの絵が描きたいわけじゃないからなー」という人もやってみるべき
著者の室井康雄さんは、「アニメ私塾」を主催されているカリスマ元アニメーターさん。(Twitter:@animesijyuku Youtube:アニメ私塾室井康雄)
19歳のときに本格的に絵を描き始め、3年後にスタジオジブリの入社試験に合格、という超スピードの作画技術向上エピソードの持ち主。
ただ、「この絵をなぞって真似したら、上手くなるのはいいけどジブリっぽい絵になってしまうのでは……」と危惧していました。

画像提供元:スタジオジブリ
が、実際やってみたら自分の絵柄じゃないなってところは選択的に自分の絵柄で描けばいいわけで、それよりもヒトガタ全体としての認識が自分の脳と手にインストールされるメリットのほうが大きいと感じました。
具体的にいうと、わたしは耳の部分はモデル素体よりちょっと小さめに、横に広がらせずに描いています。そのほうがしっくりくるのです。
よく「漫画家のアシスタントをやると、漫画家さんとそっくりの絵柄になってしまう」といいますが、あれってその漫画家さんの絵柄が好きで、自分で積極的に真似しにいってるんだと思います。
『僕だけがいない街』の三部けい先生は、『JOJOの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦先生のチーフアシスタントをしていたそうですけど、絵はまったく影響を受けていませんよね。
チーフアシスタントを何年していたのかの記述は見当たりませんでしたけど、絵柄ってそう「なりたいから真似する」「なろうとしているから似てくる」のであって、
「自分にはピンときていない絵柄だ」「自分にとっては描きにくい」とかだったら、影響は受けないと思います。
ていうか、上のわたしの絵も「ジブリっぽくなった」というわけではないと思うので、そのへんは大丈夫かと思われます。
いや、本来はジブリっぽくなったほうが喜ばしいんでしょうけれども。
漫画を描きたいのなら絵柄は商売道具のひとつなので、「影響を受けるかどうかは選べる」と、意識しておきたいものです。
「なぞる本」は実際に手を動かすから、頭の理解もついてくる
正直、前作『アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』も読んでいたのですが、途中で挫折しました。
目の位置は頭のてっぺんと顎の中間、それぞれ1:1。とか、鼻はさらに目と顎の間の1:1とか。バランスの説明がありまして。

「そうなんだろうけど、そんなこと考えながら描いてたらたのしくない!!」とイーッてなってしまって。
その点、「なぞる本」のほうはその理論自体をなぞるという行動にのせるのとで、手から頭に理解させていきます。
これ最高です。自分の手が上手い絵を描けて快感、その感覚を覚えられるので次からも活かせる。といった感じです。
快楽優先のわたくしのような人には「なぞる本」が超おすすめ……。
で、「なぞる本」で超上手くなった実感が持てたので、これから『最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』のほうも、トレージシングペーパーで作例をなぞりつつ、読み進めようと思っているところです。
絵の上達にお勧め「なぞる本」『アニメ私塾式キャラ作画上達ドリル』:まとめ
- 31日/1~2ページ描いただけですげー上達した
- ジブリ絵柄に必ずしもなるわけではない
- 理論とか苦手な人も、手を動かせばいいのでおすすめ
以上です。
絵が上手くなりたいなら、やらない手はない!
けっこう完全におすすめです。いずれ『最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』のほうも、読了してレポしたいです。
それでは!!