漫画家のなり方

一点透視図法と二点透視図法の違い・使い分け方【マンガ背景】シーンごと!

「あー、背景めんどっちーから、描きやすい一点透視図法だけでなんとかぜんぶ描けないかな」と考えている、過去のわたしのようなかたに向けての記事です。

結論としては、そういう構図ばかりえらべば可能です。

ただ”描きたいシーン”を”描けるシーン”にすべて変換してしまうと、ストーリを表現するのに制限がかかり内容がわかりずらくなるので、実際のところあまり現実的ではありません。

逆にいうと、自分の実力で”描けるものしか描けない”というのも事実。

「なんとか工夫して描きあげる」のと、「どうしても無理ならごまかす(べつの表現にする)」、その兼ね合いが必要です。

こんにちは。漫画家として13年生活し、経済的に破綻しまして現在は会社員をしておりますネコム(@necom_anarchy)です。

一点透視図法と二点透視図法はじつはおなじもの

マンガ画法の技術書には、一点透視図法と二点透視図法の「描き方」は説明してありますが、それぞれマンガのどんなシーンにどのようにつかったらいいのでしょうか。

まずは簡単な室内の背景をもとに、一点透視図法と二点透視図法の違いをご説明します。

真正面に壁があるとき、または何もないときが一点透視図法

わかりやすくいうと、画面の真正面にまっすぐな壁があるときにつかうのが一点透視図法です。

例1)部屋の正面が壁 ※上から見た図です

部屋を上から見た図です。

建物の室内はたいてい正方形か長方形、2つの並行の線が、それぞれ直角にまじわっています。

上から見た図です。

青い壁どうし、紫の壁どうしはそれぞれ平行です。

青い壁と紫の壁は、直角にまじわっています。

上から見た図です。

正面にある壁(青)に、ちょうど直角になるよう視線を送っているとき、視線の向きと横の壁(紫)は平行になっています。

この状態が、一点透視図法です。

横から見た図です。

真正面の壁がナナメを向いている場合が二点透視図法

真正面の壁に向かって、ナナメに視線を送っている場合が二点透視図法になります。

上から見た図です。

さきほど正面にあった青い壁に対して、ナナメに視線を送った場合、紫の壁もナナメになります。以下のような感じになり、消失点は2つになります。

横から見た図です。

このように、人工の四角い物体を描く方法が「一点透視図法(正面から)」と「二点透視図法(ナナメから)」になります。

これは建物の外観、街並みを描くときも同様です。

基本的に「四角い建物がおなじ角度に並んでいる」という前提のもとに便宜的につかわれているのが、「一点透視図法」と「二点透視図法」なのです。

「一点透視図法」と「二点透視図法」は現実ではかなり混在している

なので、たとえば「一点透視図法の視点からみた部屋の中に、テーブルがナナメの位置に置いてある」場合などは、

上から見た図である。

「部屋の一点透視図法」と「テーブルの二点透視図法」が、ひとつの画面の中に混在することになります。

横から見た図なのであります。

まあ、とにかく、四角っぽい人工物を「まっすぐ正面から見たら一点透視図法」「ナナメから見たら二点透視図法」と覚えてください。

ということを頭に入れておくと、「簡単だから一点透視図法がいい」ではなく、ちゃんと「描きたい背景」にふさわしい画法がえらべるようになります。

描きたいシーンから逆算して画法を選ぶのが本筋

二点透視図法だと、どうしても消失点がコマの中におさまらない場合が多いです。なので、「二点透視図法はむつかしい」という印象があると思いますが、

一点透視図法を使う場合も、「消失点の近くのものは描きにくい問題」があります。

間がせばまりすぎていて、線が重なってしまうのです。

この写真の真ん中、消失点あたりを描ききるのは難易度が高い。

うまくボカせればいいのですが、どっちもどっちなので、もう、覚悟を決めてどっちも描きましょう。

描きたいシーンが描けたほうがいいですしね。将来の投資のためと思って、経験値あげときましょう。

現役漫画家だった時代に、ロクな背景いれてなかったわたしが言うのもなんですが。

悔いのない作品を仕上げてくださいまし!

ちなみにここでは略しましたが、タテの「高さの線」について書いた記事「マンガ背景の描き方のコツ! プロ現場での効率的な略し方3つ」もよければごらんください。

では、今回は以上です。