新人漫画家だったときに、古参の編集者さんに教えてもらった絵の練習方法をご紹介します。
わたしは青年マンガ家として13年生活し、あまり売れずに廃業し会社員などをしていたネコム(@necom_anarchy)です。
1日1分でいいから、タテ線・ヨコ線・ぐるぐるを描く、というものです。
あらゆる角度から線を引くことにより、ペンに慣れる
昔はマンガ用にはつけペン(Gペン、丸ペンなど)を使っていました。
日常的に使うものではないので、仕事としてマンガを描いている状態でない限り、新人作家はまだまだ実際ペンに慣れていません。
現代だと、液タブや板タブもこれに当てはまります。日常的にタブレットでノートをとったり日記を書いている、という人はごく少ないですよね。
自分では自由に描けているつもりでも、線のひっかかりやゆがみなどが他人から見ると気になります。

ペン慣れしてないと、素人くさい線(投げやりな線)に見えてしまいます。
線の1つ1つを意識して描くことで、全体としてもキレイにまとまります。
タテ線、ヨコ線、ぐるぐるは手首の可動域をなめらかにすることにもつながるので、絵を描く前の準備運動として描くこともおすすめします。
※わたしもできてないですが、左側より→右側の感じを目指して練習します。
やる気のない日でも毎日、画材にさわる
1日1分でできるので、超やる気がない日でもなんとかできます。
調子のいい日はそのまま落描きとかしてもいいですね。
ともかく、ハードルを低くすることで「毎日、絵を描く」のが普通になることが目的です。
アナログの人はつけペン(Gペンや丸ペン)、デジタルの人は板タブや液タブ、自分の使いたい道具で練習してください。
それが面倒な日は、メモ帳にボールペンでもOKです。やらないよりは。
無意識でやってる、くらいになるといいです。

ちなみに個人的には正円「○」の練習は、あんまし意義を感じません。正円を原稿できちんと描くときにはテンプレートを使うので。
あと、上達してるかよくわからないのと、「始点と終点がくっつくように」にばかり意識がいってしまう。
ぐるぐるだと描いてるあいだじゅうどの部分にもまんべんなく意識がいきます。
ノートをとる文字くらいのサイズで「○」の始点と終点がきちんとくっつかない人なら、練習するのもアリです。
上級編:気をつけるとベターなこと
基本、まだプロじゃない人が「毎日、絵を描く」(画材にさわる)のに慣れることがメインの目的なので、線の出来は適当でもまあ大丈夫です。
「余裕があれば気をつけたいこと」が以下です。
- 線の太さが一定か
- 線の間隔が一定か
- 入り抜き、止めはできているか
- 意図せぬハネ、割れ、ヨレはないか
いつもより線をゆっくり、ていねいに描く習慣がつくと思います。それがプロの線です。
【ゼロから】いちばん簡単な絵の練習【やる気なくても大丈夫】:まとめ
そんな感じで、気負わず日常にとりいれてみてください。
- 描きたい画材(つけペン、デジタル)で毎日なにかしら描く
- タテ線・ヨコ線・ぐるぐるを描き、手首の可動域をなめらかに
- 線自体をキレイに仕上げる。ゆっくり集中して線を引く
とくに、何かイラストを描く前に「ぐるぐる」を描くと、準備運動になってとてもいいです。自分は気合を入れてイラストを描く前に「ぐるぐる」、何度かやってます。
では、今回はこれにて!