漫画家のお金と生活

漫画家へのプレゼントや差し入れ。最強は「手紙」です

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漫画家に何か差し入れしたい場合、圧倒的におすすめなのが「ファンレター」「お手紙」です。

こんにちは。漫画家を13年経験し、アシスタントとしても何名様かの人気漫画家さんの身近にいた経験があるネコム(@necom_anarchy)です。

自分のツイッターのでもそんなようなことを主張してたりします。

https://twitter.com/necom_anarchy/status/1028971434779922432?s=20

↑わざわざ言わない場合が多いとは思いますけど(「ファンレターくれ」って催促しているみたいだから)、こんなふうに日々とっても感謝している漫画家は多いと思います。

漫画家がいちばん嬉しいプレゼントはファンレターな理由

マンガが掲載されている雑誌の編集部気付で送るにせよ、コミケなどのイベントで直接渡すにせよ、お手紙(ファンレター)一択です。

  • 読まれている実感を得られて嬉しい

という以外にも、物理的な面でも最強です。

  • 食べ物系は避けたい人も多い
  • お酒:好みに合わないといらない。持ち運びも大変
  • 衣類や、手作りのオブジェ:好みじゃなくても、捨てにくい……
  • 花束や鉢植え:扱いがむつかしい。枯らすとへこむ

持ち運びにも便利で、腐ったり割れたり場所をとったりしないお手紙(ファンレター)、素晴らしい。だれも困らない。

あと副次的な効果ですが、↓の要素なんかもあります。

  • ファンレターがたくさん来ると、編集部では「人気がある」「熱量の高いファンが多い」と判断され、連載やアニメ化の際に有利

「われながら熱狂的なファンだなー」と思うなら最新話が出るたびに感想を送ったりするのもいいと思います。

漫画家へ送る手紙(ファンレター)のタブー

ところで、手紙(ファンレター)を送るにあたって、やってはいけないこととはなんでしょうか。

紙以外のものを同封する(食べ物や押し花など)

腐ります。最悪、虫がわく。夢見がちな少女のころはついやってしまいがちですが、自重しましょう。現実的になろう。

ガムとか飴とか腐らなそうな食品も、ベタベタになったり、輸送中に封がやぶけたりする場合も。

ポプリは粉々になる。(友人との文通で経験済)

香水やエッセンシャルオイルをびんせんに香りづけでたらすと、不気味な油染みになる。

びんせんに香りづけしたいなら、日本古来の匂い袋文香(ふみこう)がおすすめ。手紙に匂いを移すための専門のものなので厚みもないし安心です。

返信を求める(切手を貼った返信用封筒を同封するなど)

これはわたしもやってしまったことがありまして、やっぱちょい期待しちゃうんですよね。

「小学生がなけなしのおこづかいで出した切手代をムダにしてしまうのは心苦しい。とはいえ、全員に返事なんて到底できない」と、負担に感じる漫画家さんも多いようです。

何も同封せずとも、年賀状とかファンレターの返事に送ってくれる漫画家さんもいます。こちらはすっかり忘れてたりするタイミングで。

まあこのへんは、おたがい微笑ましい範囲かと。

「違法サイトで読みました」「古本で買いました」と言わない

これらはいずれも「おまえの本に、正規の料金を払う価値はない」という意味になってしまい、ふつうにとても失礼です。

じっさいに絶版の本を古書店をめぐって探し回ったとしても、その事実が漫画家本人には悲しいので、そこにはふれないでおいてあげてください。

漫画家はファンレターいっぱいもらってるだろうから、モノをあげて超・応援してるアピールしたい

なんとびっくりいちばん心に残るのは、言葉

わたし正直、はじめて2ちゃんねるでペンネーム出されて好意的な書き込みがされたときの文章、ほぼまるまる覚えてる。

漫画家やめて5年たっても覚えてます。たぶん一生忘れない気がする。

何度も何度も読みましたし。

わたしあてのものはわたしに向けて書いているわけで、いいことが書いてある。でもネットの書き込みはなんの利害もないのにわたしが好きだなんて。どこへ向けていいかわからん感謝。

わたしあてにいただいたものも、ほんとに大事にしてる。存在することだけで生きていける

漫画家へのファンレターとかって、なにを書いていいかわからない。文章苦手!

自分が感じていることをそのまま書けばなんでも大丈夫だと思います。小学生の作文ぽいものでもOK。短文しか出てこないなら、カードに書けばよいかと。

ファンレターって、読んでもらえれば自分が好きな人の人生に関われたということで、とてもすごいことだと思います。

わたしも某俳優さんにファンレター出したことがある。ちなみに、書く以前に1か月くらいみっちり、ペン習字を練習した。

その後、舞台の出待ちしたときに、「ああ、あの人ね!」ってわかってくれたようでした。

マンガや小説、ドラマや映画で学んだこと

わたしがいろんな創作物を見たり読んだりして、とても感銘を受け、「これはわたしの人生にも生かさなければならないっ」と深く心に刻んでいることがあって、それは

「好き」は感じたらすぐに伝えるべし!

です。

そうでないと死に別れたり、もう二度と会えなくなったり。そんな物語がたくさんありました。後悔しても遅い。

わたしの田舎は陶芸で有名で、日本全国から、また外国からも、陶芸家をめざしてたくさんの人が来て暮らしており、修行しつつ創作をしています。

でもやっぱ生活していくのは大変で、ふと気づいてみたら、とてもいい作品を作っていた人も、いなくなっていることが多い。

芸術家の命は短いのです。

なので、「あ、この人の作品、好き!」と思ったら、無理をしてでもなるべくその場で作品を買っておかないと、いなくなっちゃう。陶芸界から姿を消してしまう。

気に入った作品も手に入らなくなるし、その作家さんが未来に作っていただろう素敵な作品にも、もう出会えなくなってしまう。

ので、好きだと思ったら、なるべくいますぐ、伝えるといいですよ。

というおすすめでした。今回は以上です!

ABOUT ME
ネコム
ネコム
元マンガ家
青年誌でマンガ家14年(単行本1冊)→会社員7年。夫と猫2匹。宅配ピザも届かぬ栃木の奥地に住んでいる。ヤクルトスワローズファン。肉まんを焼いて食べるのが好き。
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